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「バイキング」「ビュッフェ」と聞くと、まず食べ放題を連想するのではないだろうか。
あらかじめテーブルやカウンターに並べられた料理の中から、自分の好きな物を、好きなだけ取って食べる食事のスタイル。
日本では、どちらも同じ意味で使われているし、言い方が違うだけで同じ意味で認識することが多い。
使い分けと言えば、ホテルなど少し格式が高いところはビュッフェと言い、庶民的なお店ではバイキングと言うイメージだ。
そんな「バイキング」「ビュッフェ」の違いについて考えてみる。
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違い① 言葉の語源
life with dictionaries / photo by : hiroaki maeda
バイキング
ヴァイキング(Viking)は、英語で海賊の事を指す。
ヴァイキング(英: Viking、典: Vikingar、独: Wikinger)とは、ヴァイキング時代(Viking Age、800年 – 1050年)と呼ばれる約250年間に西ヨーロッパ沿海部を侵略したスカンディナヴィア、バルト海沿岸地域の武装船団(海賊)を指す言葉。
しかし、バイキングという英語はなく、これは和製英語になる。
この和製英語と食事スタイルを組み合わせたのが、昔の帝国ホテルの支配人だった人物。
その方が海外からヒントを得て作った食事スタイルの名前を社内で公募をしたところ、「バイキング」という案が出された。
そして当時、上映されていた「バイキング」という映画の中の食事シーンが印象的だったことから、この食事スタイルの呼び名が「バイキング」となった。
もちろん和製英語なので、「サラリーマン」や「ノートパソコン」と同様に、海外で言っても通じない。
ビュッフェ
ビュッフェは、英語ではなくフランス語。
現在は英語でも使われているので通じるが、発音が難しいことから通じないことが多い。
日本人が海外で「ウォーター」と言って通じないのと同じだ。
ビュッフェという言葉が使われる国によって多少言い方(発音)も変わってくるが、「バッフェ」「バフェ」「バフェイ」と発音すると通じやすいようだ。
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違い② 言葉のイメージ
Random Words / photo by : Pablo Viojo
冒頭でも述べたが、ホテルやオシャレなお店など、少し格式が高いようなところの食べ放題は「ビュッフェ」というイメージがある。
逆に普通の庶民的なお店の食べ放題は「バイキング」という、ざっくりとしたイメージはないだろうか。
バイキング
- 豪快に食べる
- お皿に盛れるだけ盛る
- お腹いっぱいになるまで食べる
- 欲のままに行動する
- ビュッフェより安い
バイキングは、名前の由来そのままのイメージだ。
そういった意味では、いい名前を付けたことになる。
ビュッフェ
- スマートに食べる
- お皿に盛るのは少しずつ
- お腹いっぱいになるまで食べない
- 少し堅苦しい
- バイキングより高い
ビュッフェは、語源がフランス語だからなのか、気品を感じる。
これはあくまでイメージなので、当てはまらないこともあるだろうが、おおよそはこんな印象ではないだろうか。
実際にホテルなど少し高めなランチやスイーツの食べ放題は、「ビュッフェ」となっているところが多い。
まとめ
言葉(文字)そのものは別として、語源やイメージの違いがあることがわかった。
ただ、日本ではどちらも同じ「食べ放題」の意味として使われることが多い。
使い分けとしては、ケーキは「バイキング」、スイーツは「ビュッフェ」、そして焼き肉は「食べ放題」だ。
サラダは、なぜか「バー」と言われる。
ちなみに、お店のシステムによっては、ビュッフェと謳っていても食べ放題ではない場合があるので注意が必要だ。