Hurricane Irene as Seen from Space / photo by : NASA Goddard Space Flight Center
台風の季節、特に夏になるとニュースでは頻繁に台風情報が取り上げられる。
台風の報道は災害情報になので、それだけ重要で人々の関心も高い。
ニュースの台風情報でよく耳にする「台風〇号」という言い方が日本では一般的だが、ネットやスマホで台風情報を見てみると、「台風〇号」の近くに「ノグリー」など、台風に固有の名前が付けられているのが目に留まる。
ちなみに「ノグリー」とは、2014年7月に発生した台風の中で過去最強だった台風8号の呼び名で、韓国語で「たぬき」という意味。
ここで疑問に思うのは、台風8号の名前がなぜ韓国語なのか、ということ。
日本の警戒範囲で発生した台風であれば、わざわざ韓国語の名前にせず、日本語で名前を付けてもいいような気がする。
実は、台風に付ける名前にはしっかりとした世界基準のルールが存在する。
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台風の名前の決め方
気象庁HPには、下記のような台風の名前の決め方についての文章が記載されている。
台風には従来、米国が英語名(人名)を付けていましたが、北西太平洋または南シナ海で発生する台風防災に関する各国の政府間組織である台風委員会(日本ほか14カ国等が加盟)は、平成12年(2000年)から、北西太平洋または南シナ海の領域で発生する台風には同領域内で用いられている固有の名前(加盟国などが提案した名前)を付けることになりました。
元々台風の名前は、アメリカが独自に付けており、その名前には人名を使用していた。
言われてみれば、確かに「カトリーナ」など、人の名前のような台風を聞いたことある。
そしてアメリカでは、「台風〇号」と呼ぶよりも、付けられた名前で呼ぶのが一般的とのこと。
ただ、人名を使っているとしたら、台風と同じ名前になってしまった人は少しかわいそうな気もする。
そして2000年から始まった、領域内で用いられる固有の名前(加盟国などが提案した名前)。
加盟国が提案した名前も気になるが、やはり日本が提案した名前も気になるところ。
先に日本が提案した名前から見ていこう。
日本が提案した名前
Within Darkness / photo by : jason jenkins
加盟国では、あらかじめ140個の名前が事前に用意されており、毎年台風が発生すると、そのリストの1番目から順番に発生した台風に名付けられる。
そして、リストの最後の名前である140番目まで行くと、また1番目に戻り、再び140番まで順番に使用される。
その140個の名前の中で、日本に割り当てられた枠は10個。
そして、日本では星座の名前を提案している。
- てんびん座 → テンビン
- やぎ座 → ヤギ
- うざぎ座 → ウサギ など
もし次に、日本の提案した名前の順番がまわってきた場合は、かんむり座から「カンムリ」という台風の名前になる。
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台風の名前の決め方リスト
日本では星座の名前から台風の名前を提案したが、ほかの加盟国ではどのような名前を提案しているのかも気になるところだ。
下記に、その台風名前リストを記載する。
こうして提案された名前の意味を見ていくと、かなり面白い名前もある。
ずっと人の名前を付けていたアメリカも、少しだけ別の名前を混ぜていているものの、やはり人の名前が軸になっているようだ。
今現在は台風10号が発生しており、アメリカの提案した「マットゥモ(大雨)」という名前が名付けられたので、もし次の台風発生した場合、台風11号の名前はベトナムが提案したの「ハーロン(湾の名前)」ということになる。
この140個の名前がローテーションで名付けられていくと前述したが、実は名前の引退制度というものもある。
名前の引退制度
引退制度というよりも、誤解を恐れずに言えば、殿堂入りと言った方がわかりやすいかもしれない。
自然災害なので、こういう言い方は良くないかもしれないが、分かりやすい表現で使っている。
人々の記憶、そして記録に残るような被害をもたらした台風に付けられた名前は、この140個ある名前リストから外され、名付けられた台風だけの固有名称になるというもの。
こうして殿堂入りした名前が出た際には、また違う名前が加盟国から提案されリストに補充される。
そして、常に140個の名前候補を維持する仕組みになっている。
この仕組みによって、もしかしたら名前候補リストに、今よりもっと面白い名前が出てくるかもしれない。
コメント
よく台風の事がよく知れた
お役に立てて、何よりです。
家族にもさっそくメールで台風のこと教えてあげました!
もっと多くの人にも教えてあげたいです。
ありがとうございました。
お役に立てて何よりです。