Piccolo from Dragon ball / photo by fortbragg
なんと、トカゲのしっぽが再生するメカニズムが解明されたとの事。
もっと研究が進んで人間の医療に応用できれば、ドラゴンボールのピッコロさんみたく、手足を再生させることができるかもしれません。
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人間 302/326個
Green anole (Anolis carolinensis) 0414091428 / photo by Patrick Feller
しっぽの再生能力解明には、イグアナの一種であるグリーンアノールトカゲ(Green anole)(上記写真)が研究の対象となりました。
切れたしっぽが再生するというのは、遺伝子の力によるものらしいのですが、どのタイミングで、どのようにして遺伝子が関わっていくのかを解明するための研究が進められてきました。
研究の末、遂にしっぽが再生する時に、326個の遺伝子が関わっていることを突き止めます。
しかも、その326個の遺伝子のうちの約93%、302個は哺乳類(人間)も持っていることが判明しました。
そして、アノールトカゲの再生メカニズム解明の研究成果を、哺乳類(人間)の医療にも応用できると考えています。
日本人科学者も参加
世界中から参加した科学者19人の中には、Kenro Kusumi氏とMinami A. Tokuyama氏の2人の日本人が参加してます。
Kenro Kusumi氏自身と、その研究室である『KUSUMI LAB』のメンバーのMinami A. Tokuyama氏。
2人は師弟関係。
しっぽ再生まで約25日
グリーンアノールトカゲが切れたしっぽを再生するのに要する時間は約25日。
人間への応用が可能になった場合、一体どのぐらいのスピードで再生できるのか気になるところです。
グリーンアノールトカゲに比べ、人間は身体が大きいので、かなり時間が掛かるようにも感じますね。
少し話はずれますが、ちょうどこの論文を目にする前日、ふらっとDVDを借りに行ったら、新作で「アメイジング スパイダーマン2」が出ていていました。
まだ前作の「アメイジング スパイダーマン」を観ていなかったので、先に前作を借りました。
観たことある方ならわかると思いますが、作品中の登場人物、カート・コナーズ博士が自分の右腕を再生させるために注射をしたらリザードマンとなって暴れまわるんです。
映画の中では、夜中に注射して数時間後には腕が生えてましたけど。
SFの世界の話しだと思っていた事が、次の日には現実になりつつあることを知ってとても驚きです。
不思議な行動
Scaring The Tail Off Of A Lizard / photo by Jeff Turner
そもそもトカゲってなんで自分のしっぽが切れるような体の造りになっているのでしょうか?
なぜ自ら体の器官を切り捨てるかは状況により異なると思われるが、主に外敵から身を守るために行われる例が多い。
すなわち外敵に捕捉された際に肢や尾等の生命活動において主要ではない器官を切り離すことで逃避できる可能性を作り、個体そのものが捕食される確率を下げるための適応であると考えられている。
そのため自切する器官はあらかじめ切り離しやすい構造になっていたり、喪失した器官を再生させる等の機能を持つ。
このことを、「自切(じせつ)」と言います。
自切(じせつ)は、節足動物やトカゲなどに見られる、足や尾を自ら切り捨てる行動(ないし反応)。
トカゲのしっぽ切り
日本では「トカゲのしっぽ切り」なんて、ネガティブな表現で使われていますが、そうじゃないんですね。
命を守るための行動「自切(じせつ)」。
そして、もしこの研究が上手くいって人間の医療に応用できることになれば、世界中でたくさんの人々が喜ぶことでしょう。
研究チーム19人...じゃなかった
研究チーム19人+グリーンアノールトカゲさん達にはがんばっていただきたいですね。