Ballet stretch / photo by Tommy Wong
子供だった頃、せっかくの夏休みなのに早起きさせられ、半ば強制的にラジオ体操に行かされた記憶はないだろうか。
半分寝ながら会場へ行き、ラジオ体操を終えたらまた帰って寝る。
思い返せば、ただラジオ体操のスタンプを押してもらうためだけに行っていた気がする。
こういった習慣は昔も今も変わらずに行われ、今でも夏の休みなのに子供たちは朝早くからラジオ体操行っている。
この習慣はもしかしたら、ラジオ体操を朝早くに行う何らかのメリットがあるからなのかもしれない。
逆に起きてすぐであれば、デメリットしか無いような気もする。
ここでは、朝早く行うラジオ体操のメリット・デメリットについて考えてみる。
まずはアメリカが発祥だというラジオ体操のルーツから簡単に見ていくことにする。
参考サイト
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ラジオ体操のルーツ
“Begins” (Woods Hole, MA) / photo by : takomabibelot
ラジオ体操のルーツを辿ると、アメリカのメトロポリタン生命保険(現メットライフ生命保険)に行き着く。
1925年に健康な身体を目的として、ニューヨークなどアメリカの東部に向けて世界で初めてラジオ体操を行った。
これは「メトロポリタンライフ ヘルス エクササイズ」という体操で、これの放送がラジオ体操のルーツと言われている。
日本国内では、1928年にラジオ体操の前進である「国民保険体操」が始まった。
その後、東京の「ラジオ体操の会(子供の早起き大会)」がきっかけとなり、今も行われている夏休みに早起きするラジオ体操へ至る。
朝早く行うのは、この子供の早起き大会が起源となっており、これが現在のラジオ体操のルーツになる。
ラジオ体操と同じく、朝から体を動かすと言えば、中国の太極拳が思い当たる。
実際に見たことは無いので何とも言えないが、イメージでは朝早くから公園で太極拳をしている人が思い浮かぶ。
ただ、ラジオ体操のルーツであるアメリカで、朝早くからラジオ体操をしている風景は、まず思い浮かばないだろう。
ちなみに、メトロポリタン生命保険会社(現メットライフ生命保険)は、スタートした1925年から1935年までの10年間でラジオ体操の放送やめてしまった。
しかし現在でも、アメリカの一部の学校では「ラジオ体操」という型にハマりきった体操ではないものの、始業前に学生全員がグラウンドへ出て、ストレッチを行っているとこもある。
ここまでラジオ体操のルーツを見てきたが、次にメリット・デメリットについて考えてみる。
昔からの習慣いうのは、後の科学的な分析でも理に適っていることも多い印象があるが、ラジオ体操はどうだろうか。
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ラジオ体操 メリット・デメリット
「ラジオ体操の会(子供の早起き大会)」から今に至るラジオ体操。
朝早いだけに、子供の身体への負担はないのだろうか。
ラジオ体操のメリット・デメリットをそれぞれ挙げてく。
メリット 朝のラジオ体操(運動)
- ラジオ体操は全身運動となり、ほぼすべての筋肉に偏りなく負荷をかけることができる。
- 身体が柔軟になることで、怪我することが少なくなる。
- 学校の授業や仕事前の早い時間に運動することで、血流が良くなり脳が活発に活動する。
- その日一日の基礎代謝が高まり、ダイエット効果があると注目されている。
1と2は、子供にとってはかなりのメリットが期待できる。
3は、夏休み中に授業はないものの、家で夏休みの宿題をすると考えると効果的が期待できる。
4のダイエットに関しては、子供にはあまり関係ないように思えるが、基礎代謝が高まるのは良いことかもしれない。
続いてデメリットを挙げていく。
デメリット 朝のラジオ体操(運動)
- 朝は一日で最も血糖値が低い状態なので、運動をすると目まいを起こしやすい。
- 朝起きてすぐの空腹状態では、血糖値が低いので身体にとっては良くない。
- 朝起きてすぐは体内の血管が収縮している状態で、運動がもたらす大量の血液の流れによって心筋梗塞などの恐れがある。
- せっかくの夏休みなのに、わざわざ早起きしなければならない。
4は置いておいて、やはり寝起きの運動はあまり身体にとって良くないようだ。
大切なのは時間の調節
Stretching / photo by Håkan Dahlström
朝、目が覚めてすぐにベットから起き上がったり、起きてからすぐの運動は身体に良くない。
理想的なのは、起きてから2時間ほど経ってから運動すること。
メリットの3にもあるように、授業や仕事前の運動であれば、起床してからの出掛ける準備と通勤通学を考えれば、2時間という時間は経っているだろう。
ただ、子供たちの夏休みのラジオ体操は、仮にAM6:30に開始だとすると、その2時間前はAM4:30。
さすがに早すぎる気がする。
やはり起きて2時間後というのは理想であって現実的では無いので、最低でも起きてから30分ほど経ってからラジオ体操へ行くように心掛けよう。
そして、ラジオ体操を行う前には水分補給と、フルーツなどを軽くお腹に入れておくと良いそうだ。
結局のところ、子供の頃に無理やり起こされ、そして行かされていたラジオ体操は、子供ながら身体にとっては良くなかったことになってしまった。