State Court Building / photo by Eden, Janine and Jim
話題のドラマ「HERO」でも登場する検察官のバッジ。
さり気なく胸元に付いている検察官バッジは、ドラマ内で映る時間はごくわずかで、どんなデザインなのか何となくしかわからない方も多いのではないだろうか。
そんな検察官のバッジを改めて見てみると、カッコいいデザインしていた。
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検察官記章と秋霜烈日
photo by : PINJP
検察官のバッジの正式名称は、検察官記章(けんさつかんきしょう)。
白い部分は花弁、金色の部分は葉を表わしたデザインだという。
そして、四字熟語の秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)。
秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)
刑罰・権威・節操・意志などが厳しく、また、厳かなことのたとえ。
秋の厳しく冷たい霜と夏の強い日差しの意から。
なぜ、検察官記章に四字熟語の秋霜烈日が出てくるかというと、それはバッジのデザインと関係性があるからだ。
検察官のバッチの形は,紅色の旭日に菊の白い花弁と金色の葉があしらってあり,昭和25年に定められました。
その形が霜と日差しの組合せに似ていることから,厳正な検事の職務とその理想像とが相まって「秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)のバッチ」と呼ばれているようです。
「秋霜烈日」とは,秋におりる霜と夏の厳しい日差しのことで刑罰や志操の厳しさにたとえられています。
バッジがデザインされた当時は特に関係性はなかったが、現在ではバッジのデザインと通じるモノがあることから、秋霜烈日という四字熟語が当てられるようになっているという。
検事と検察事務官のバッジデザイン
photo by : 釧路地方検察庁
検事・副検事
検事のバッジは、中央に紅色の旭日、周りに菊の白い花弁と金色の葉があしらってあるデザイン。
副検事のバッジも検事と同じデザインになっているが見分けがつくように一部だけ違っている。
その違いは、菊の葉の色。
検事は金色だが、副検事は銀色になっている。
検察事務官
検察事務官のバッジは、桐花紋章(とうかもんしょう)といい、国章にもなっている家紋がデザインされている。
その桐花紋章にもいくつか種類があり、その中の五三桐(ごさんのきり、ごさんぎり)が使われている。
紋章上部の花の数が 3・5・3 となっていることから五三桐(ごさんのきり、ごさんぎり)と呼ばれている。
桐紋のバッジは,本来,平和の象徴として鳳凰が舞い降りる樹です。
この樹がなければ鳳凰が来れません。
ですから,この樹を枯らしてはならぬ。
いつでも鳳凰を迎えられるよう,各人が努力して職務を遂行する。
それが国民,そして平和を支える役割を担うのが法務検察の事務官なのです。
そういう意味が事務官バッジに込められています。
事務官バッジは茶色で目立ちません。
同じく,華やかな鳳凰に対して桐の樹も目立たない止まり木です。
そして事務官の存在は検察官に隠れて見えにくいものです。
しかし,日常ごく当たり前の目立たぬ業務を当たり前に着実に行う,そういう事務官の業務があってこそ検察が成り立ち,日本の平和に繋がるのです。
それは鳳凰(平和の世)が来るまでじっと立っている桐の樹の姿と重なります。
釧路地方検察庁
ちなみに、桐花紋章(とうかもんしょう)の中で国章になっているのは、五七桐(ごしちのきり、ごしちぎり)という種類。
桐花紋章については、敦賀にある氣比神宮の記事でも扱っている。
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検察官=検事?
ドラマ HERO 内で「○○検事」と呼ぶシーンをよく目にする。
ということは、「検察官=検事」ということでいいのだろうか?
実は大きな括りで言えば「検察官=検事」となるが、検察官の中には階級(役職のようなもの)が存在しており、正確には少し違うようだ。
検察官の階級
- ※検察事務官 (雨宮 舞子役 / 松 たか子さん)
↓
- 副検事
↓
- 検事 (久利生 公平役 / 木村 拓哉さん)
↓
- 検事長
↓
- 次官検事 (鍋島 利光役 / 児玉 清さん)
↓
- 検事総長
上記のような階級(役職のようなもの)になっている。
司法試験に合格すると、検事 (久利生 公平役 / 木村 拓哉さん)からのスタートになるという。
1作目のHEROで、検察事務官の雨宮 舞子役 / 松 たか子さんは、内部試験を受けて副検事になろうとしていたが、ドラマ内では10年以上のキャリアが必要という暗黙の了解があり、試験を受けることができなかったシーンもあった。
検察事務官→副検事→検事というパターンでも検事になることができる。
検察官記章 (検察官バッジ)が買える
検察官記章(検察官バッジ)をはじめ、ひまわりと天秤がデザインされた弁護士記章(弁護士バッジ)などのバッジをネットで買うことができる。
もちろん、本物ではなく精巧に造られたレプリカ。
「HERO」人気にあやかっているのか、売り切れになっている時も多々あるそうだ。
本物の検察官記章(検察官バッジ)とレプリカと見分ける方法の一つとして、バッジの裏を見るというのがある。
本物の検察官記章(検察官バッジ)の裏には、個人に与えられた番号と、所属している検察庁の番号が刻まれているという。