Prosciutto e melone / photo by Richard, enjoy my life!
イタリアやスペインでは定番のオードブル(前菜)として、夏によく食べられているという生ハムメロン。
最近では、日本でもよく目にするようになってきたこの生ハムメロンだが、初めて目にした時は誰もがこう思ったのではないだろうか。
「何で生ハムとメロン?」
この”生ハム”と”メロン”という不思議な組み合わせには、2つの理由と食べ合わせがあった。
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生ハムメロン 2つの理由
まずは、”生ハム”と”メロン”という不思議な組み合わせになった理由から。
理由 ① 青臭さを消すため
melon / 夕張メロン / photo by Kanko
元々イタリアのメロンは、フルーツというよりも野菜に近く、青臭かったという。
その青臭いメロンのニオイを消すための手段として、メロンの上に生ハムをのせて一緒に食べるようになったと言われている。
そのため、現在日本で食べられているメロンみたいに甘くて香りのよいメロンに、わざわざ生ハムをのせて生ハムメロンとして一緒に食べるのは、好みはあるだろうが意外においしくなかったりする。
理由 ② 塩味を和らげるため
hand-cut prosciutto / photo by sunshinecity
産地にもよるが、イタリアのメロンは甘さがうすいことから、生ハムと一緒に食べることで塩味が和らぎ、同時にメロンの甘みが引き立つ効果があると言われている。
日本でいうところの「スイカに塩」と同じ感覚だろう。
生ハム & メロンは意外と理に適っていた
生ハムメロンは、味やニオイ、食べやすさを考えた先人たちによって生み出された組み合わせの食べ物。
考案した先人たちが知っていたかどうか定かではないが、現在考えられている食べ合わせと照らし合わせると、生ハムとメロンは意外にも理に適ったよい組み合わせだった。
生ハムとメロンの食べ合わせ
メロンに含まれるカロチンと、生ハムに多く含まれるビタミンB1は、疲労回復・夏バテの防止にとても効果があります。
また、メロンに含まれるカリウムを同時に摂取することで、生ハムで取りすぎた塩分を体外に出してくれる働きが期待できます。
生ハムとメロンの相互作用により、体内で良い働きをしてくれると考えられている一方、こんな考え方もあるようだ。
良くない組み合わせとも
生ハムメロンの本場、イタリアで出版されている「salute Naturale (サルーテ ナトゥラーレ)」という健康雑誌で紹介された「良くない食べ合わせ」という記事がある。
その項目の中に、生ハムとメロンの組み合わせが挙げられていた。
その理由が「消化するのに時間がかかるため、消化不良になりやすい」というもの。
紹介された記事には補足で、「週一程度の摂取ならそれほど問題では無い」とも記載されている。
あまり気にする必要はないような印象を受ける記事ではあったが、もし生ハムとメロンの食べ合わせが良くないとしたら、不思議な組み合わせよりも「生ハムメロン」という存在自体が不思議なモノになってしまう。
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飲み物にもなる 生ハムメロン
メロンの上に生ハムというのがスタンダードな「生ハムメロン」のスタイル。
それをシャンパングラスに入れ、ドリンクとして提供していたお店があった。
そのお店とは、「世界一予約が取れないレストラン」と言われているスペインの「El Bulli (エル・ブリ)※閉店」。
メニューは毎シーズンごとに一新しており、同じ料理は二度と提供されることはないと言われていた名店だ。
そのため「生ハムメロンドリンク(仮名)」がどういったモノなのかを画像で確認することはできなかったが、料理の説明として下記のようなモノがあった。
メロンの果汁とアルギン酸を混ぜて球状に凝固させ、ハムのコンソメに浮いている、といった案配だ。
ハムのコンソメの液体の中に、固めたメロンボールが入っているという料理(ドリンク)のようだが、今ひとつ想像できない。
もし生ハムメロンに遭遇したら
melone-parma / photo by abnehmen.net
生ハムメロンを食べる機会は、日本ではそう無いだろう。
しかし、もし結婚式の料理などでいきなり遭遇してしまった場合に備えて、食べ方を知っているとちょっとした優越感に浸れるかもしれない。
生ハムメロンのテーブルマナー
- メロンと生ハムを別々にする。
- メロンを一口大に切る。
- 生ハムを一口大に切る。
- メロンと生ハムをフォークに指して一緒に食べる。
これが正しい食べ方だという。
このテーブルマナーを見た方は、全員こう思ってしまうのではないだろうか。
「それなら生ハムを、わざわざメロン乗せなくてもいいんじゃないか」
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