mosquito two / photo by Derek
蚊を絶滅させる、刺されなくする研究が世界各国で進められています。
「蚊に刺されて、かゆくなるのがイヤだから。」
「寝ている時に飛んでいると気になって寝れないから。」
という安易な理由ではなく、蚊が媒介して広まってる病気がこれ以上拡大しない為の研究が進められています。
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研究プロジェクト
Laboratories / photo by : Saint Louis University Mad
蚊は主に樹液や花の蜜などを餌としていますが、産卵するためにメスの蚊だけが血を吸います。
その血を吸うメスの蚊が媒体となって、病気が拡大していきます。
それを基に現在進められている大きなプロジェクトは全部で3つあります。
1.子孫が勝手に死滅していく遺伝子操作
新しく生まれてくる蚊が、成虫になる前に死んでしまうように遺伝子操作をする研究が進められています。
数百万匹ものオスの蚊の遺伝子を組み替えて、自然界に放ちます。
放たれたオスの蚊が、メスの蚊と交配して生まれてきた蚊は、成虫になる前に死んでしまうので、交配が行われず子孫を残せなくなる。
そして、最終的に絶滅させることが出来るという研究です。
2.子孫が95%オスになる遺伝子操作
新しく生まれてくる蚊が、ほとんど雄になるように遺伝子操作をする研究が進められています。
通常、オスとメスが生まれてくる確率は50:50の割合です。
遺伝子を組み替えてその割合を、95(オス):5(メス)とオスの確立を大幅に上げることによって、交配のバランスが崩れて、子孫を残せなくなる。
そして、最終的に絶滅させることが出来るという研究です。
3.人間を感知出来なくする化合物
蚊が人間の位置を認識出来なくなるようにする研究が進められています。
蚊は、人間が排出している二酸化炭素を感知して、血を吸いにやって来ます。
その二酸化炭素を感知出来なくする為に、塗り薬ではなく、化合物を空気中に飛散させることによって刺されなくするという研究です。
まとめ
個人的にこの3つのプロジェクトの中から選択するとするなら、「2.子孫が95%オスになる遺伝子操作」ですね。
世代ごとに徐々に減らしていく方法が確実で一番安全に思います。
一見、「1.子孫が勝手に死滅していく遺伝子操作」の方が即効性がありそうで良い方法と思ったのですが、蚊が絶滅するまで、毎年数百万匹のオスの蚊を自然界に放たなければならないので、時間と手間が掛かります。
それに人間に影響はないと言われていますが、そんな遺伝子を持った蚊を自然界に放つというのは少し不安を感じてしまいます。
もし何か予期せぬ事が起こったとしても対処が難しいでしょう。
「3.人間を感知出来なくする化合物」は絶滅させないので、生態系や食物連鎖への影響も無さそうです。
唯一気になるのが、飛散させる化合物(特許出願中)の成分です。
この化合物は現段階で詳細は不明ですが、人体には影響が無いと言われています。
しかし、まったく影響が無いと言われても、一般人にはよく分からないものを空気中にばら撒いてほしくはないですね。
それに普段使っている殺虫剤も、微量であれば問題ありませんが、散布した中にずっといて大量に吸い込めば人体にも悪影響です。
選んだ「2.子孫が95%オスになる遺伝子操作」も、その副産物として、もしかしたら「クマノミ(ファインディング・ニモの魚)」みたく、時と場合によって性別を変えられるような蚊が登場してくるかもしれませんね。