Laboratory Stuff / photo by iT@c
「59種類の栄養素を持つミドリムシ(ユーグレナ)」のポテンシャルは、食料としてだけではありません。
なんとバイオ燃料にもなるということで、研究が進められています。
ここままですごいと、日本語の「ミドリムシ」という少し下げたような名前も変えた方がいいかもしれませんね。
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バイオ燃料って?
バイオ燃料の定義としては、
生物体(バイオマス)の持つエネルギーを利用したアルコール燃料、その他合成ガスのこと。
石油のような枯渇性資源を代替しうる非枯渇性資源として注目されている他、二酸化炭素(CO2)の総排出量が増えないと言われている。
「二酸化炭素(CO2)の総排出量が増えない」というのは、バイオ燃料として燃やされてCO2が発生しても、ミドリムシ(生物体)が光合成をするときにCO2を吸収してくれるので、結果±0になるいう考えです。
このことを、『カーボンニュートラル(carbon neutral)』と言います。
なんでまたミドリムシなの?
トウモロコシやサトウキビでも、バイオエタノール(バイオ燃料)が作られています。
本来は、食料にならずに廃棄されるようなものを原料として作られるはずでした。
しかし、そこはお金の絡む話。
そっちの方が儲かる事が分かると、本来食料として流通するはずのトウモロコシなどもバイオエタノールの原料に回されてしまい、食料市場へ供給が少なくなります。
すると、食料自体が減ってしまいますし、価格が高騰がしてしまい問題になっています。
その点、ミドリムシにはその心配がありません。
そして、同じ敷地面積の油の生産性も、トウモロコシやさとうきびなどの植物と比べても高いんです。
ミドリムシでジェット機を飛ばす
Space Shuttle Endeavour over Los Angeles / photo by Pedro Szekely
ミドリムシの油は、その他のバイオ燃料に比べて軽質で、ジェット燃料向きなんだそうです。
2018年の事業化、2020年の量産化に向けて、JX日鉱日石エネルギー、株式会社ユーグレナ、日立プラントテクノロジーの3社が共同で取り組んでいます。
ということで、実際にまだ実現していませんが、その一歩として、別の取り組みはすでに動き出しています。
いすゞ自動車と株式会社ユーグレナの共同プロジェクトとして、
2014年7月1日からいすゞ自動車藤沢工場(神奈川県)のシャトルバにミドリムシ由来のバイオ燃料が使われています。
ミドリムシたちにも個性がある
Lego Peoples / photo by Michelle Tribe
ミドリムシたちにも、それぞれ得手不得手があります。
細胞分裂によって増える彼らも、1週間で2個にしかならないタイプもいれば、1,000個になるタイプもいます。
体内に蓄える油の量も個々によって違いがあります。
今後の研究で、「油をたくさん蓄えれるタイプ」+「増えるのが得意なタイプ」と、両方の性質を合わせ持つスーパーミドリムシたちが増えて生産性が増せば、現在1リットルあたり600円~800円という価格も下がってくるでしょうし、市場に安定的に供給が可能になります。
近い将来、私たちの生活に浸透しているかもしれませんね。