Treasure Chest / photo by Timitrius
「独立」で脚光を浴びているスコットランドで、バイキングの財宝が地中から発見されました。
発見されたのはスコットランド南部、その他の詳細はまだ公表されていません。
ただ、驚きなのは、なんとたった60センチという深さから発見されたこと。
...浅いんですね。意外と。
100点以上にも及ぶ財宝は、およそ1000年以上前のものとみられており、財宝の取扱いについては、売却する形で博物館が引き取ることになる予定。
日本で財宝といえば、「埋蔵金」ですね。
国内で発見された場合、どのような取扱いになるのでしょうか?
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今回のケース
今回発見された財宝の場合、アマチュアのトレジャーハンター(探索愛好家)、デレク・マクレナン(Derek McLennan)氏が、スコットランド教会が所有する土地で財宝を発見。
市場価格を基に、財宝の値段が算出され、博物館に売却。
その売却益を、土地の所有者であるスコットランド教会と、発見者のマクレナン氏の両者で分け合う模様。
国内で財宝が発見されたら
地中から発見された財宝(埋蔵金)は、民法第241条(埋蔵物の発見)が適用され、「遺失物」扱いになります。
要は「落し物」になる訳ですね。
ただし、通常の落し物は、警察に届けてから3ヶ月以内に所有者が現れなければ発見者が全部もらえますが、「埋蔵物の発見」の場合は、6ヶ月以内と期間が倍になります。
民法第241条(埋蔵物の発見)
埋蔵物は、遺失物法の定めるところに従い公告をした後六箇月以内にその所有者が判明しないときは、
これを発見した者がその所有権を取得する。
ただし、他人の所有する物の中から発見された埋蔵物については、
これを発見した者及びその他人が等しい割合でその所有権を取得する。
民法第240条(遺失物の拾得)
遺失物は、遺失物法 (平成十八年法律第七十三号)の定めるところに従い公告をした後三箇月以内にその所有者が判明しないときは、
これを拾得した者がその所有権を取得する。
所有者が現れたら
6ヶ月以内に所有者が現れてしまったら、発見した財宝価値の5~20%(落し物の1割のお礼ってやつです)を請求する権利だけになってしまいます。
この権利も、財宝を発見してから7日以内に警察へ届け出をしないと無くなってしまいます。
所有者が現れなかったら
自分の土地から発見した場合は、もちろん全ての所有権を取得します。
他の人の土地だった場合は、その土地の地主さんと折半(50:50)となります。
さらに
所有者が現れない埋蔵物(財宝)で、文化財となりうると判断された場合、文化財保護法、第6章埋蔵文化財、第92条~108条が適用され、所有権は国庫に帰属してしまいます。
要は、所有権は国だよってことになる訳です。
適用条項より一部抜粋
第101条
遺失物法第4条第1項の規定により、埋蔵物として提出された物件が文化財と認められるときは、警察署長は、直ちに当該物件を当該物件の発見された土地を管轄する都道府県の教育委員会(当該土地が指定都市等の区域内に存する場合にあつては、当該指定都市等の教育委員会。次条において同じ。)に提出しなければならない。
ただし、所有者の判明している場合は、この限りでない。
104条
第100条第1項又はに規定する文化財又は第102条第2項に規定する文化財(国の機関又は独立行政法人国立文化財機構が埋蔵文化財の調査のための土地の発掘により発見したものに限る。)で、その所有者が判明しないものの所有権は、国庫に帰属する。
この場合においては、文化庁長官は、当該文化財の発見された土地の所有者にその旨を通知し、かつ、その価格の2分の1に相当する額の報償金を支給する。
これもまた難しく書いてありますが、こちらで簡単にまとめられていました。
- 埋蔵文化財は最終的には都道府県に帰属する。
- 都道府県は、埋蔵文化財の価値に相当する報償金を『発見者及びその発見された土地の所有者』に支払って文化財を買い取る形となる。
- 発見者と土地所有者とが異なるときは報償金は折半して支給する。
- 報償金の額は都道府県教育委員会が定める。
まとめ
警察への届け出は、発見した物自体を持ってくのか通常ですが、以下の場合は例外となります。
- 量が多すぎる
- 重たくてとても運べない
- 考古学など学術的観点(文化財)から触らない方がいい
この場合は、「届け出用紙」で代用することもできます。
それと、財宝を発見したのに警察に届け出なかった場合、横領扱いになりますのでご注意を。
これで、いつ財宝を発見しても大丈夫ですね。